分析対象
2024年度にJ1リーグに所属するJクラブで、2024年度の人件費上位5クラブをみる。

:第134回目_20251012号
Jクラブの人件費合計推移
はじめに、2006年以降、Jリーグに所属する各Jクラブが計上した人件費合計の推移をみる。
2006年度から2014年度まで300億円台で推移していた。2015年に400億円、2018年度に500億円を超え、2019年度には644億円になった。コロナ禍になった2020年度以降はほぼ横ばいで推移し、2023年度に647億円と最も高額の人件費になった。
2024年度は前年度比で42億円少ない605億円になった。

出所:Jリーグ クラブ経営情報を集計
J1クラブの人件費合計推移
つぎに、2006年度以降のJ1リーグに所属するJクラブが計上した人件費合計の推移をみる。
2006年度は260億円で2016年度まで200億円台が続いていた。2017年度に345億円、2018年度に409億円、2019年度に450億円と大きく増加した。2020年度以降は450億円程度で推移し、2022年度に439億円、2023年度に422億円と減少傾向であった。
2024年度は、2023年度の422億円より5億円少ない417億円になった。Jクラブ数が2クラブ増加したにもかかわらず人件費合計が減少した要因は、主に人件費が多額なJクラブである浦和レッズやヴィッセル神戸の人件費が減少した影響である。
2017年度から2019年度までに人件費が大きく増加したのは、主にヴィッセル神戸の人件費が増加した影響である。
ヴィッセル神戸の人件費は、2016年度は21億円であったが、20217年度に31億円(前年比10億円増加)、2018年度に45億円(前年比14億円増加)、2019年度に69億円(前年比24億円増加)と増加した。つまり、ヴィッセル神戸の人件費だけで、2016年度から2019年度までで48億円増加しており、全増加額167億円のうち3割程度を占めた。

出所:Jリーグ クラブ経営情報を集計
J1の人件費上位5クラブ
さいごに、2024年度にJ1リーグに所属するJクラブでの人件費上位5クラブをみる。
1位は、浦和レッズで人件費が32億円(順位は13位)になった。2023年度の人件費39億円より7億円減少した人件費32億円は、2006年度以降における全Jクラブの中では15番目に多額な人件費である。なお、Jクラブにおける過去最高額のチーム人件費は2019年度のヴィッセル神戸で計上した69億円である。
2位はヴィッセル神戸で、2023年度の38億円(順位は優勝)より10億円減少した28億円(順位は優勝)になった。ヴィッセル神戸はJ1リーグを2連覇したが人件費を26%減少させた。
3位は川崎フロンターレで、2023年度の33億円(順位は8位)より6億円減少した27億円(順位は8位)になった。
なお、4位は名古屋グランパス、5位はサンフレッチェ広島である。
なお、2023年度の上位5クラブ(カッコ内は人件費)は、浦和レッズ(38.6億円)、ヴィッセル神戸(38.0億円)、川崎フロンターレ(33億円)、横浜Fマリノス(30億円)、名古屋グランパス(28億円)であった。

出所:Jリーグ クラブ経営情報を集計
【参考】2024年度にJ1に所属するJクラブでの人件費下位3クラブ

出所:Jリーグ クラブ経営情報を集計

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