分析対象
Jリーグに所属するJクラブを対象に、経営成績と財政状態の推移(2005年度から2023年度まで)をみる。
今回の対象Jクラブは、湘南ベルマーレである。
経営成績は全Jクラブの中で中位で、財政状態は良くないと言える。
:第115回目_20250601号
経営成績の推移(2005年度以降)
湘南ベルマーレの営業収入は、2005年度は7億円で以降2017年度まで7億円から16億円程度で推移していた。RIZAP グループ株式会社の孫会社になった2018年度に過去最高額の30億円になった。2020年度にコロナ禍の影響で22億円まで減少したが、その後に回復し2023年度には28億円になっている。
また、当期純利益は、2005年度以降の19年間のうち10年で当期純利益がプラスである。
2023年度の営業収入28億円は全60のJクラブで21番目と中位にあり、2023年度の当期純利益0.2億円も全60のJクラブの中で21番目と中位であることから、企業の活動成果を示す経営成績は全Jクラブの中で中位でと言える。
出所：Ｊリーグ クラブ経営情報より集計
営業収入内訳と順位(J1/J2)の推移
湘南ベルマーレは、営業収入が最も多額の30億円になった2018年度にスポンサー収入が12億円に増加し、以降11億円から13億円のスポンサー収入を確保している。
2023年度は、過去最高額30億円にせまる営業収入28億円でスポンサー収入が13億円である。湘南ベルマーレが公表したクラブビジネスの状況はこちらにある。
参考：川崎フロンターレの営業収入内訳と順位(J1)の推移
出所：Ｊリーグ クラブ経営情報より集計
財政状態(純資産)の推移
湘南ベルマーレは、2005年度に純資産81百万円、純資産比率39%であった。その後、当期純利益のマイナスと増資で2017年度末には純資産4百万円、純資産比率1%になった。2018年度に増資でRIZAP グループ株式会社の孫会社になった後は100百万円以上の純資産を維持し、2023年度末は、純資産153百万円、純資産比率11%となっている。
2023年度末の純資産比率11%は全60のJクラブの中で45番目で、財政状態が良いとされる純資産比率が30%を超える年度が19年間のうち1年しかないことから、財政状態は良くないと言える。
出所：Ｊリーグ クラブ経営情報、JクラブのHPなどから集計
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