分析対象
Jリーグに所属するJクラブを対象に、経営成績と財政状態の推移(2005年度から2023年度まで)をみる。
今回の対象Jクラブは、セレッソ大阪である。
経営成績は良く、財政状態は全Jクラブの中で中位と言える。

:第109回目_20250420号
経営成績の推移(2005年度以降)
セレッソ大阪の営業収入は、2005年度は23億円で、2006年度から2012年度まで20億円台で推移した。その後に増加し2017年度には40億円になった。2020年度にCOVID-19の影響で減少したが徐々に回復し2022年度には42億円、2023年度には最も多額な49億円になった。
また、当期純利益は、2005年度以降の19年間のうち11年で当期純利益がプラスである。
2023年度の営業収入49億円は全60のJクラブで10番目に多額で、2023年度の当期純利益4億円は全60のJクラブで4番目に多額であることから、企業の活動成果を示す経営成績は良いと言える。

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計
営業収入内訳と順位(J1/J2)の推移
セレッソ大阪は、スポンサー収入を多額に獲得することで多額の営業収入となっている。
2023年度のその他収入9億円の内訳は、物販収入が2億円、女子チーム関連収入が2億円であり、他の5億円は、大会での成績に基づく賞金や選手移籍に伴う収入などが含まれると言われている。

参考:ガンバ大阪の営業収入内訳と順位(J1/J2)の推移

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計
財政状態(純資産)の推移
セレッソ大阪は、2005年度に純資産79百万円、純資産比率68%であった。その後、当期純損失の計上などで純資産比率が減少し、2020年度には純資産が▲788百万円のマイナス、純資産比率が▲145%になった。2023年度に、当期純利益401百万円の計上と、約1,200百万円の増資により純資産455百万円、純資産比率20%となった。
2023年度末の純資産金額455百万円は全60のJクラブの中で16番目に多額であり、純資産比率20%は全60のJクラブの中で34番目であることから、財政状態は全Jクラブの中で中位と言える。

出所:Jリーグ クラブ経営情報、JクラブのHPなどから集計
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