分析対象
Jリーグに所属するJクラブを対象に、経営成績と財政状態の推移(2005年度から2023年度まで)をみる。
今回の対象Jクラブは、浦和レッズである。
経営成績は非常に良く、財政状態は良いと言える。

:第106回目_20250323号
経営成績の推移(2005年度以降)
浦和レッズの営業収入は、2005年度は58億円で、2007年度には80億円になった。その後に減少したが、2013年度から増加に転じ、2017年度に再び80億円になった。2020年度にCOVID-19の影響で減少したが徐々に回復し2022年度には81億円になった。2023年度には最も多額な104億円になった。これは、2005年以降におけるJクラブの営業収入で2番目に多額の営業収入である。
また、当期純利益は、2005年度以降の19年間のうち17年で当期純利益がプラスである。
2023年度の営業収入104億円は全60のJクラブで最も多額で、2023年度の当期純利益3.1億円は全60のJクラブの中で5番目に多額であることから、企業の活動成果を示す経営成績は非常に良いと言える。

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計
営業収入内訳と順位(J1)の推移
浦和レッズは、スポンサー収入だけでなく入場料収入を多額に獲得することで多額の営業収入となっている。特に2023年度は、スポンサー収入と入場料だけでなく、その他収入が多額にある。
2023年度のその他収入35億円の内訳は、物販収入が16億円、女子チーム関連収入が1億円であり、他の18億円は、大会での成績に基づく賞金や選手移籍に伴う収入などが含まれると言われている。浦和レッズが公表した2023年度の事業収支はこちら。

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計
財政状態(純資産)の推移
浦和レッズは、2005年度に純資産328百万円、純資産比率14%であった。その後、安定して当期純利益を計上して純資産プラスを維持し、2016年度の増資以降は純資産比率30%以上を維持している。2023年度も、当期純利益305百万円を計上し、純資産1,610百万円、純資産比率が47%となった。
2023年度末の純資産金額1,610百万円は全60のJクラブの中で3番目に多額であり、財政状態が良いとされる純資産比率が30%を超える年度が19年間のうち13年あることから、財政状態は良いと言える。

出所:Jリーグ クラブ経営情報、JクラブのHPなどから集計
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