鹿島アントラーズ

分析対象 

Jリーグに所属するJクラブを対象に、経営成績と財政状態の推移(2005年度から2023年度まで)をみる。

今回の対象Jクラブは、鹿島アントラーズである。

経営成績は全Jクラブの中で中位で、財政状態は良いと言える。

  :第105回目_20250316号

経営成績の推移(2005年度以降)

鹿島アントラーズの営業収入は、2005年度は32億円で、2007年度から2015年度まで40億円台で推移し、2016年度と2017年度で50億円台となった。2018年度は過去最高額の73億円となり、コロナ禍の影響などで2020年度には48億円まで減少したが、2023年度には65億円にまで回復している。

また、当期純利益は、2005年度以降の19年間のうち10年で当期純利益がプラスである。

2023年度の営業収入65億円は全60のJクラブで6番目に多額であるものの、2023年度の当期純利益が3.1億円のマイナスと全60のJクラブの中で下から6番目に多額の損失を計上していることから、企業の活動成果を示す経営成績は全Jクラブの中で中位である。

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計

 

営業収入内訳と順位(J1)の推移

鹿島アントラーズは、スポンサー収入を安定して獲得するとともに、その他収入が大きく、多額の営業収入を計上している。

2023年度のその他収入25億円の内訳は、物販収入が9億円、アカデミー関連収入が2億円であり、他の14億円は、大会での成績に基づく賞金や選手移籍に伴う収入などが含まれると言われている。

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計

 

財政状態(純資産)の推移

鹿島アントラーズは、2005年度に純資産1,793百万円、純資産比率85%で、その後、2019年度まで純資産比率50%以上を維持していた。コロナ禍の2020年度に当期純損失▲945百万円を計上など純資産が減少したが、2022年度に1,372百万円の増資を行い、2023年度末には、純資産1,565百万円、純資産比率が32%となった。

2023年度末の純資産金額1,565百万円は全60のJクラブの中で5番目に多額であり、財政状態が良いとされる純資産比率が30%を超える年度が19年間のうち18年あることから、財政状態は良いと言える。

出所:Jリーグ クラブ経営情報、JクラブのHPなどから集計

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