サンフレッチェ広島

分析対象 

Jリーグに所属するJクラブを対象に、経営成績と財政状態の推移をみる。

今回の対象Jクラブは、サンフレッチェ広島である。

経営成績は良くないが、財政状態は良いと言える。

  :第104回目_20250309号

経営成績の推移(2005年度以降)

サンフレッチェ広島の営業収入は、2005年度以降、20億円台で推移していたが、2012年に32億円と30億円台になった。コロナ禍の2020年度にも32億円を計上し30億円台で推移し、2022年度に40億円になり、2023年度には42億円と過去最高額となった。

また、当期純利益は、2005年度以降の19年間のうち10年で当期純利益を計上している。

2023年度の営業収入42億円は全60のJクラブで13番目に多額であるものの、2023年度の当期純利益が7.6億円のマイナスと全60のJクラブの中で最も多額の損失を計上していることから、企業の活動成果を示す経営成績は良くないと言える。

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計

 

営業収入内訳と順位(J1/J2)の推移

サンフレッチェ広島は、安定してスポンサー収入を得るとともに、その他収入を増加させ、多額の営業収入を計上している。

2023年度のその他収入14億円の内訳は、物販収入が4億円、女子チーム関連収入が3億円、アカデミー関連収入が1億円であり、他の6億円は、大会での成績に基づく賞金や選手移籍に伴う収入などが含まれると言われている。

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計

 

財政状態(純資産)の推移

サンフレッチェ広島は、2005年度に純資産500百万円、純資産比率54%であったが、その後、当期純利益のマイナスを計上し純資産比率が減少するが、2007年度と2012年度の増資で2012年度末には純資産495百万円、純資産比率が41%となった。2013年度以降は、当期純利益の計上で純資産が増加し2017年度末には純資産1,211百万円、純資産比率が75%となった。

2018年度以降は、当期純利益のマイナスを計上する年度が多かったが、2023年度に1,879百万円の増資で、2023年度末は、純資産1,333百万円、純資産比率が34%となった。

2023年度末の純資産金額1,333百万円は全60のJクラブの中で8番目に多額であり、財政状態が良いとされる純資産比率が30%を超える年度が19年間のうち15年あることから、財政状態は良いと言える。

出所:Jリーグ クラブ経営情報、JクラブのHPなどから集計

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