分析対象
Jリーグに所属するJクラブを対象に、経営成績と財政状態の推移をみる。
今回の対象Jクラブは、横浜Fマリノスである。
経営成績は良く、財政状態は良くないと言える。

:第103回目_20250302号
経営成績の推移(2005年度以降)
横浜Fマリノスの営業収入は、2005年度に48億円であったが、2009年度から2012年度まで30億円台に減少した。2013年度から2017年度までは40億円台に回復し、2018年度以降は50億円台、2022年度と2023年度は65億円と増加傾向にある。
また、当期純利益は、2005年度以降の19年間のうち11年で当期純利益を計上している。
2023年度の営業収入は全60のJクラブで5番目に多額であり、当期純利益を計上していることから、企業の活動成果を示す経営成績は良いと言える。

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計
営業収入内訳と順位(J1)の推移
横浜Fマリノスは、安定してスポンサー収入を得るとともに、その他収入を増加させ、多額の営業収入を計上している。
2023年度のその他収入24億円について、12億円が物販収入であり、他の12億円は、大会での成績に基づく賞金や選手移籍に伴う収入などが含まれると言われている。

出所:Jリーグ クラブ経営情報より集計
財政状態(純資産)の推移
横浜Fマリノスは、2012年度まで当期純利益マイナスが多く純資産がマイナスであった。
2013年度に特別利益1,000百万円を計上したこと、2014年度にシティ・フットボール・グループが出資したことなどで2014年度に純資産がプラスになった。
2015年度以降は継続して当期純利益を計上し、純資産プラスを維持しているものの、純資産比率は2023年度で4%である。
2023年度末の純資産金額87百万円が全60のJクラブの中で36番目であり、純資産比率4%が全60のJクラブの中で50番目であることから、財政状態は良くないと言える。

出所:Jリーグ クラブ経営情報、JクラブのHPなどから集計
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