分析対象
Jリーグに所属する全てのJクラブが1つの会社であったと仮定(以下、全Jクラブ)し、主要な会社の経営成績、財政状態と比較する。
今回の比較対象会社は、大手スポーツウエアメーカーの株式会社デサント(以下、デサント)である。

*全Jクラブの売上高等は、各Jクラブの売上高等を単純に合計している。また、比較対象会社は連結の売上高等を利用している。
:第100回目_20250209号
売上高(経営成績)
14年度は、デサントの売上高が1,231億円と全Jクラブの売上高868億円の約1.4倍であった。
15年度から22年度まで、デサントの売上高は横ばいであるが、全Jクラブの売上高は増加傾向にあり、20年度より、デサントの売上高が全Jクラブの売上高を下回っている。
23年度は、デサントの売上高が1,270億円と全Jクラブの売上高1,518億円の約0.8倍である。10年前の約1.4倍と比べると比率は小さくなっている。

出所:全JクラブはJリーグ クラブ経営情報、デサントは有価証券報告書より集計
当期純利益(経営成績)
14年度は、デサントの当期純利益が65億円で、全Jクラブの当期純利益が22億円であった。
15年度から22年度は、デサントは20年度を除き継続して当期純利益を計上している。
23年度は、デサントの当期純利益が120億円であるが、全Jクラブの当期純利益は▲11億円のマイナスである。
また、デサントは、20年度以降、売上高は全Jクラブの売上高を下回るが、当期純利益は全Jクラブの当期純利益を上回っている。

出所:全JクラブはJリーグ クラブ経営情報、デサントは有価証券報告書より集計
純資産(財政状態)
14年度は、デサントの純資産が653億円と全Jクラブの純資産125億円の約5.2倍であった。
15年度から22年度は、19年度にデサントの純資産と全Jクラブの純資産の比率が3.5倍と小さくなったが、20年度以降全Jクラブは当期純損失を計上し比率が大きくなっている。
23年度は、デサントの純資産が1,137億円と全Jクラブの純資産228億円の約5.0倍であり、10年前の約5.0倍とほぼ同じである。
また、デサントは、売上高が全Jクラブの売上高を下回るが、純資産が5倍程度の規模であり、財務安定性が高く、倒産するリスクが低いと言える。

出所:全JクラブはJリーグ クラブ経営情報、デサントは有価証券報告書より集計
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